[レポート] 電通グループが考える、マーケティングデータ活用のはじめかた ~SnowflakeとCDP、何が違うか理解しよう~ #SnowflakeDB #SnowdayJapan
2023年02月14日(火)、ANAインターコンチネンタルホテル東京、ならびにオンライン配信のハイブリッド形式でSnowflakeのイベント「SNOWDAY JAPAN」が開催されました。
当エントリではその中で、ブレークアウトセッションとして開催された「電通グループが考える、マーケティングデータ活用のはじめかた ~SnowflakeとCDP、何が違うか理解しよう~」のレポートをお届けします。
セッション概要
当エントリで扱うレポートのセッション概要は以下の通りです。
電通グループが考える、マーケティングデータ活用のはじめかた ~SnowflakeとCDP、何が違うか理解しよう~
[登壇者]
・白髭 良 氏(株式会社電通デジタル ネクストコア部門 アカウントディベロップメント部 シニアコンサルタント)
・宮城 玲子 氏(株式会社電通国際情報サービス エンタープライズIT事業部 データマネジメントコンサルティング部 シニアコンサルタント)
[セッション概要]
企業が顧客基盤、マーケテイング基盤や分析基盤を構築する際に選定するプラットフォームとして、CDPとSnowflakeは何が違うのか。Use Caseを交えながら解説させていただきます。
また、Snowflakeの短期導入に特化したパッケージや蓄積したデータをマーケティング活用する為のコンサルティングなど、電通グループのSnowflake独自ソリューションを紹介させていただきます。
セッションレポート
セッションの前半はSnowflakeとCDPの違いに関する発表で、後半は電通グループが提供しているSnowflakeのソリューションの紹介です。
SnowflakeとCDP、何が違うか理解しよう
SnowflakeとCustomer Data Platform (CDP)は何が違うのかという質問がお客さまからよく出てくるそうです。
そもそもCDPの定義もあやふやなところがあるので、このセッションでは画面の左側のソフトウェアのCDP製品のことをCDPと定義して進めます。
SnowflakeとCDPの線引き
SnowflakeとCDPの違いを聞かれるのはなぜなのでしょうか?
それは、CDPでも分析基盤を構築することができたり、Snowflakeでも顧客基盤を構築することができるからです。
それではどのような場合にSnowflakeを選択して、どのようなときにはCDPを選択すればいいのでしょうか?
データ分析基盤
上の図は、データ分析基盤を構築する場合のカバーするシステム領域の星取表です。
Snowflakeはデータレイクからデータウェアハウス、データマートの構築までカバーしているのに対し、CDPはデータレイクとデータウェアハウスは高額になる可能性があるとして△評価になっています。
これにはSnowflakeとCDPの料金体系が関わっています。
Snowflakeはデータを保持するストレージもクエリを実行するコンピュート(ウェアハウス)どちらも使用した分だけを支払う従量課金制です。Snowflakeのストレージは圧縮率が非常に高く大量のデータを保持するためのコストパフォーマンスに優れており、計算を行うウェアハウスのサイズもクエリの大きさに応じて柔軟に変更することができます。
対してCDPはストレージもコンピュートも固定費用のサブスクリプション制で、ストレージのサイズやコンピュートのサイズは固定されています。そのため、足りなければ満足したパフォーマンスが出なかったり、逆にオーバーサイズすぎて無駄なコストが発生してしまうことがあります。そのためコスト的に考えると分析に必要なデータだけをCDPに入れておくという結論になります。
では、データベースの処理の方式の違いを確認します。
SnowflakeはいわゆるOLAPで大量のデータを集約計算するのに向いており、一方のCDPはOLTPでトランザクションの同時処理に優れています。
以上の点からデータ分析基盤を構築したい場合にはSnowflakeが向いています。
外部システムとの連携
単純な比較は難しいですが、Snowflakeとシェアの上位を占めるCDP製品の外部コネクタの数を比較すると、CDPの方がコネクターの数は多いです。さらにCDPはMAツールや広告系のコネクタはCDPの方が豊富に用意されているので、外部連携したい製品によっても選択が変わります。
外部データの活用
CDPでは一部のベンダーがデータクリーンルームの機能を提供しており、顧客データを扱う上で配慮が必要な個人を特定されないようなデータの提供を行うことが可能です。
Snowflakeではデータマーケットプレイスから外部からのデータの共有を行うことができます。現在、グローバルで1300のデータがマーケットプレイスに用意されており、導入企業が増えればマーケットプレイスへの提供も増えることが予想されます。
ただ、MAツールや広告系のデータとなるとCDPの方が多数用意されており、ここでも単純な比較は難しいです。
顧客データの統合
Customer Data Platform (CDP)と言う名前の通り、顧客プロファイルの可視化や顧客行動をトリガにしたリアルタイム分析などが行えるほか、ユーザー情報の取得に関する同意(CMP)の管理機能も備えているため、顧客情報を安心安全に扱うことに優れています。
しかし、顧客データを扱うからと言う理由だけでCDPを選択するわけではありません。顧客のユースケースに合わせて様々な製品の活用方法があります。
スモールスタートで顧客データの統合を行いたいと言うケースの場合、要件的には若干厳しくなりますが、Snowflakeで顧客基盤を構築することも可能です。
すでにCDPを導入している会社の場合、CDPのパフォーマンスに課題を抱えている会社が見受けられます。CDPだけよりもコストはかかりますが、ユーザーへのデータを提供するパフォーマンスを維持もしくは向上することが可能です。
最適な製品選定
顧客データの管理を行うと一口で言っても要件は多岐にわたります。それぞれの会社に応じたユースケースに合わせてCDPかSnowflakeかを選択するのがいいでしょう。
電通グループとSnowflake
Snowflakeを中心としたデータ基盤の構築・拡張を提案しています!
システムとデジタルマーケシング双方の専門課外いるので、データ基盤の構築から活用まで一貫した支援が可能です。
事例 花王
化粧品事業におけるDirect to Customer (D2C)事業の拡大に伴うデータ量の増大や分析ニーズの多様化に応えるべくSnowflakeを導入し、ECサイトや実店舗での購入や顧客とのやり取りの履歴をSnowflake内にデータマートを作成して分析に生かしています。
Snowflakeのコンサルティングサービス
電通グループが提供するSnowflakeのコンサルティングサービスです。
データ分析基盤の構築のみに留まらず、データ活用のコンサルティングまで支援します。
SnowBase
ISIDが提供する独自のSnowflake短期導入サービスです。
分析基盤において手間がかかるELTの高土くをテンプレート化したり、ジョブ実行管理ワークフローを自動化させたりすることで素早くかつ柔軟に分析基盤を構築します。
これらのデータ分析基盤の構築における検討事項を省略で記すため、データ分析基盤の構築に人手を割けない会社でもサクッと分析基盤を構築することができ、本来従事するべきデータ分析業務に専念することができます。
まとめ
前半のCDPとSnowflakeの違いでは製品の性格にはっきりとした特徴があるものの、顧客の要件によって一概にそれぞれの製品がバチっとハマるものではないと言うことを知れたのがよかったです。
また、データ分析を始める会社には分析まで支援のあるISIDの体制は心強いなと思いました!